慢性疲労が職場に与える影響

過酷な業務内容・精神的・肉体的ストレス・それを緩和できないような複雑な勤務シフト、それに加えてなかなか改善されることのない看護師の慢性的な人材不足問題によって、看護師は常に厳しい労働条件の中で働くことを余儀なくされています。そのことにより、勤務している看護師の4人に3人、約8割近くが、疲れが次の日まで残ってしなってなかなか取れない慢性疲労で悩んでいるといわれています。しかし、慢性疲労になってしまったからといって、看護師は仕事を休んでいるわけにはいきません。
慢性疲労は、長い時間はかかっても十分な休息を取ることで回復し、日常生活には影響が出ないことが多いですが、疲労の状態によっては患者さんの名前を間違えたり、次に行なう業務に支障が出たり、看護業務に支障が出てくる場合もあります。また、疲労が蓄積していくことによって、体の疲れだけでなく精神的な疲労も蓄積し、うつ病などの精神疾患となってしまうこともあります。さらに厄介なのは、疲れていても仕事ができることから、慢性疲労をそのまま放置してしまいがちです。放置することによって、慢性疲労が原因で起こる仕事上のミスや精神疾患などは悪化しやすく、慢性疲労自体も、慢性疲労症候群という休んでも疲労が回復しない状態になってしまうことがあります。
そのため、疲れが取れない日が続くようになったら、職場の同僚の目を気にしていないで早めに改善させる努力も必要です。また、慢性疲労の蓄積によって看護業務が続けられなくなり、看護師の仕事をやめざるを得なくなってしまうこともあります。そのようなことになる前に、本人のみならず、周囲が仲間の慢性疲労に気づいてあげることも大切です。